節税と資金調達どちらを優先しますか？【節税をやめて多額の資金調達を行った事例】
2019/09/13
急に涼しくなりましたね～
週末はひたすら遊ぶことを考えている所長の川阪です。
さてさて、本日は節税と資金調達は反比例するというお題です。
ある社長様と決算対策の打ち合わせをした際、
「税金を減らす方策はないか？」との相談がありました。
あるっちゃあるんですけど...
なぜ、私がこんな風に考え込んだかというと...
資金調達が上手くいかないとのことで今期よりお付き合いを始めた社長様でしたので、
「税金と資金調達のどちらを優先しますか？」
とお聞きしたところ、「両方」と答えられました。
わがままだねぇ～（笑）
えっとですね...
決算前に利益を一生懸命削って納税額を減らし、
決算後に一生懸命資金調達に動いている社長様が多くいらっしゃいますが、
納税額と資金調達額はトレードオフの関係なんです。
納税額が少なければ資金調達は難しくなり、
納税額が多ければ資金調達はしやすくなります。
先述の社長様にも原理原則を説明し、再度どちらを優先させるかお聞きしたところ、
「本当に融資を受けられるなら利益を出しても問題ないが、もしも資金調達ができなかった場合は税金の支払いで資金繰りが苦しくなる。不安だ。」
とおっしゃいました。
そりゃそうだね。
気持ちはよ～くわかります。
この会社は増収増益で推移しており、このまま決算を迎えることができれば、
融資を受けられる可能性は非常に高いと私は考えていたのですが、
わがままな社長様の不安を払拭するために（笑）
決算前に納税資金５００万円の資金調達を行いました。
無事に納税資金を調達できたため
社長様も安心して利益を出して納税しました。
さらに！
決算後に総額で８，０００万円の資金調達を行うことができました。
この社長様は、
「銀行の対応が全然違う。どうしてこんなに融資をしてくれるのか？」
と不思議そうでした
大体どの社長様も、
「利益を出せば融資を受けられるのは何となく分かっていたが、思ったよりも大きな金額を調達することができた。」
と口を揃えておっしゃいます（笑）
私からすれば至極当然のことなのですが、
まぁ、思いっきり喜んでいる社長の姿を見るのは嬉しいので
「よかったですね～！」と白々しく同調しております。
思ったよりも大きな調達ができるのは、
融資額は、利益に対するレバレッジ効果が働くためです。
融資の上限はキャッシュフロー（純利益＋減価償却費）に年数をかけて算出するのが一般的です。
簡単にざっくり例えますと
キャッシュフローが100万円ならば、7年返済で700万円の融資が可能です。
キャッシュフローが500万円ならば、7年返済で3,500万円となります。
この400万円の利益の差で、資金調達力は2,800万円も違ってきます。
税金面から考えても同様です。実効税率35％と仮定した場合
100万円の利益だと、税金は35万円
500万円の利益だと、税金は175万円です。
税額の違いは140万円ですが、資金調達力は2,800万円も違ってきます。
たった100万円の利益の圧縮が、
700万円から1,000万円の資金調達の機会を失わせているんですね。
さて、これをご覧になっている社長様。
お聞きしますね。
「税金と資金調達のどちらを優先しますか？」
ではでは！
また来週～！！
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